福井県指定文化財 瑞源寺書院の壁土はからむしか?
福井県指定文化財瑞源寺書院の修理や調査を担当されている国京克巳さんから大変重要で貴重なスサと壁土を送って頂きました。
この壁土の中に入っていたスサが「からむし」ではないかとのお問い合わせでした。
建物の修理中、室内仕上げの黄土仕上げ塗りの土の中にカラムシの表皮のくずのようなものが入っているので、スサとして使用しているのではないかとの問い合わせでした。
私では判断はつきかねましたので十日町市郷土史家の佐野良吉先生に鑑定をして頂きましたところ、この時代にからむしが繊維を始めとしていろいろなものに使われていたことは間違いないがこのスサがからむしである可能性はあるが断定は出来ないとのことでした。
福井県では縄文時代の遺跡からアンギンの残布が発見されています。これをとらえてもからむしが生活の中に溶け込んでいたことが明確でありスサとして使用されていた可能性は大であると思います。
久しぶりのロマンです。国京さんにお電話をして近々瑞源寺を見学してみたいと思っています。
上の写真は書院の壁土から分離したスサです。当時大麻やイラクサ、あるいはアカソといったものが生活に取り入れられていましたが大麻は魚網、イラクサはとげがあって壁土には向きません。アカソは繊維を取り出すのに手間と苦労が半端ではありません。からむしは繊維も大きく糸として使用した後スサとして活用した可能性はあります。
瑞源寺書院は江戸時代末に福井城の大奥御座の間が移築されたものだそうです。土壁は近くの土を利用していると見られているそうです。
ネオ昭和
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